紙の原料あれこれ
皆さんは、「紙」と言えばどんな紙を想像するでしょうか?
紙幣?キッチンペーパー?電車の中吊りのちらし広告?…想像する紙によって皆さんが
どんな紙に囲まれて生活されてきたのか少しは振り返ることが出来るかと思います。
さて、そんな「紙」ですが、皆さんはどんな素材で出来ているかご存知ですか?
昔、小学校の社会見学等では紙といえば木材から作ると習ったことでしょう。
紙は大きく分類すると、和紙、洋紙、板紙と分けることが出来ます。
和紙と言えば、職人さんが1枚1枚手で漉いている手漉きの紙の事を言いますが
その原料は日本古来の楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)等、多年性の植物で非木材原料です。
それぞれの植物に特徴はありますが、どれも繊維が長くしなやかなので紙の原料に適しています。
楮(こうぞ)の繊維は強靭で強く、主に高級半紙、墨絵用和紙、障子紙等、
薄くても強さを求められる製品に使用されます。
三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)はあまり皆さんが聞いたことのない植物だと思いますが、
実は日本銀行券(紙幣)の原料に使われております。
最近では職人さんも少なくなり、手すき和紙が少なくなっては来ております。
近年は、機械で手すきの和紙に風合いに似せて製造したいわゆる機械漉き和紙が
包装資材業界で主流となっております。
その機械漉き和紙、洋紙、板紙の主な原料がパルプです。
パルプの種類として主には木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプがあります。
まず、木材パルプは大きく分けて2種類あり、針葉樹(杉、松等)から取られたパルプをN材と呼んでいます。
N材は繊維が長く強靭で強度を求める紙、<例えば包装用紙等>の原料として使われています。
もう一つは広葉樹(ケヤキ、ブナ等)から取られたパルプをL材と呼んでいます。
L材はN材ほど繊維が長くなく、密度が高いので隙間を埋め地合いを求める紙<例えば印刷用紙等>の原料として
使われています。
紙はその用途によって原料を使い分けます。
上記の木材から新しく作られたパルプをバージンパルプと呼びますが、
その反面一度紙となって再生されたパルプを古紙パルプと呼びます。
古紙パルプは、加工会社で廃棄された紙、消費者の元で利用された紙が製紙会社に届けられ
脱墨、漂白の工程を経て古紙パルプとなり、新たな紙に生まれ変わります。
トイレットぺーパーや、ボール紙、漫画雑誌等幅広い用途で古紙パルプの紙が使用されています。
木材以外の植物で作られたパルプを非木材パルプと言います。
竹、わら、バガス(さとうきびの絞った残りかす)などが実際にパルプ化され紙となっています。
近年ではエコを唱える紙や、環境に配慮したさまざまな紙も誕生しております。
様々な用途で活躍する紙。
一重に紙と言っても、無数の紙があり、皆さんもこんな紙を使ってみたいと。
皆さんもさまざまな用途で紙のこだわり、ありますでしょうか?
こんな紙、あんな紙、使ってみたいと思われましたら是非当社へご一報ください。